前回に続き、デザイナーが関わる家・店づくりの利点の2つ目です。
それは、最初から「建物」と「家具」・「照明器具」等をバランス良くトータルに考えられることです。 あたりまえのことですが、家・店づくりの時、建物のイメージや使いやすさにはかなり気を使いますよね?
でも、日々の暮らしは建物があるだけでできるでしょうか?
実際の生活には「家具」や「照明器具」、テレビに冷蔵庫、等々・・・実に様々な建物以外のものが必要です。
これまでの暮らしのなかで、増えてきた色々な「モノ」(例えば本、音楽好きならCD、おしゃれな人なら服やアクセサリー等)もあります。
これらの色々な「モノ」は、自分の暮らし方に合わせて、ちゃんと収納できるようにするのが理想ですし、これからも増えていくものなら、収納スペースは将来を考えて多めにしておかないと、後で修正できないこともあります。
「建築」のイメージと「家具」や「照明器具」のイメージの調和についても、一般的には建築デザインが決まってから、それに合わせることが多いようですが、どちらが先というものではなく、できれば建築設計と同時進行で「家具」「照明器具」も考えていきたいものです。
「家具」や「照明器具」が、素材や色を合わせるだけでなく、寸法の関係、形の共通性など、細かな部分まで調和している空間は実に美しく、清々しいものだからです。
つまり、家づくり・店づくりには、「建物」も「家具」も「照明器具」もどれが一番大事ということではなく、トータルにバランスをとって計画し、イメージを造り上げていくことが大切なのです。
飛行船スタイルの空間プランには、かなり初期の段階から床・壁や家具の素材・色・デザインが決まっていて、施主様とのお打合せの図に表現されます、そしてお打合せの中で床や壁の色を決めるのと同じように家具の色も決まっていきます。
これは、家づくり・店づくりにとって、とても大切な事だと思っています。
デザイナー 景山 隆司
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